教採を突破するために自分の魅力を伝えきる自己PRの作り方
1.「魅力=受賞・ボランティア経験」ではない
教採コンシェルジュによるカウンセリングで伺う質問があります。
「あなたの魅力は何ですか?」
この質問をすると、次の割合になります。
7割:答えられない
2割:スポーツや音楽などの受賞歴を答える
1割:ボランティア経験等
7割の方がまだ教採モードに入っていません。
2割の方が「魅力=受賞」、
1割な方が「魅力=ボランティア」、
と捉えています。
これらの経験を本当に魅力として活かせているでしょうか?
文部科学省は「人物重視」で採用するように通知しています。
少し長いですが、
文部科学省の通知(一部)を引用します。
「教員採用等の改善について」
教員の採用選考に当たっては、単に知識の量の多い者や記憶力の良い者のみが合格しやすいものとならないよう配慮し、筆記試験だけではなく、面接試験や実技試験等の成績、社会経験、スポーツ活動、文化活動、ボランティア活動や大学等における諸活動の実績等を多面的な方法・尺度を用いて総合的かつ適切に評価することにより、より一層人物を重視した採用選考を実施し、真に教員としての適格性を有する人材の確保に努めること。
23文科初第1334号
平成23年12月27日
一見、悪くなさそうです。
しかし、受賞歴やボランティア経験だけにこだわると失敗します。
ただの自慢になってしまうからです。
ポイントは、
過程を伝える
ということです。
受賞するまでにしてきた努力、
ボランティア経験の中で得てきた学び、
採用試験官はそういったところを聞きたいと考えています。
例えば、書道で賞をいただいたとします。
■悪い例
3年越しにいただくことができました。
受験生が継続してきたことはわかるものの、
その中で、何を学び、どのような力を身に付けたかがわかりにくいです。
■よい例
その結果として、○○賞をいただきました。
書道という文化を理解することが求められる賞です。
こちらでは「自己を見つめる」「文化の理解」といったPRができています。
賞のPRではなく、自分自身のPRですので、このように
それを通じて何を学んだか
を伝えることが大切です。
2.魅力は誰でも持っている
受賞歴、
ボランティア経験、
いずれもあるから偉いわけではありません。
もちろん、しないよりはした方がよいです。
それでも、
だからといって偉いというわけではないのです。
それではなぜ、
教員採用試験では履歴書や自己PR、面接でこのような話になるのでしょうか。
それは、
経験があるから
です。
どのような経験であっても、
その受験生が真摯に向き合い、その結果として多くを学んだのであれば、問題ありません。
例えば、次のようになります。
学校生活で使うものであればすべて描くことができます。
志望に教員を考えた大学2年生からは、
教室での生徒の様子や学校の様々な道具を描けるよう練習をしてきました。
それよりも休み時間などに一人でいる生徒とのふれあいのため、
こうした力を使いたいと考えています。
一人でいることが多いです。
私自身もそうでした。
好きなことに没頭できるとと同時に少しさみしい思いもしました。
ですので、私は、そういった生徒とも積極的に関わることができればと考えています。
赤字のところから話が切り替わっているのがわかるでしょうか。
イラストを描く、というだけでは弱いのです。
どのような学生時代を送ってきたのか。
教員になって、それをどのように活躍できるか。
文部科学省が求めている「人物重視」は、
このような思いやりの心も含まれます。
3.自己PRの作り方
あなたの魅力は何でしょうか。
ここでは3つのステップでまとめていきます。
STEP1:魅力をピックアップ
ノートを用意して、自分自身の魅力をまとめます。
受賞歴
ボランティア
資格
地域での活動
趣味・特技
サークル
どのような経験をしてきたかを箇条書きであげていきます。
できるだけ多く書きましょう。
STEP2:教育とつなげる
それは現在学校が抱える課題やみなさんが考えている教育に対する考え方と、
どのようにつながりますか。
例えば、次のようにつなげていきます。
受賞歴 …努力・継続の大切さを学んだ。
ボランティア …学校現場でのボランティアを行い、不登校児童との関わりを積極的に行った。
地域での活動 …「社会に開かれた学校」づくりの必要性を感じた。
趣味・特技 …人とのかかわりが教育で重要だと知った。
サークル …リーダーシップとフォロアーシップの考え方で教育活動を展開したい。
STEP3:質疑ができるレベルに上げる
話す内容が大まかに決まったら、
話をする練習が必要
です。
練習は4通りあります。
A:一人でシミュレーション
B:友だちと練習
C:大学の先生と練習
D:教採コンシェルジュと練習
先の例で行っていたように、試験官とのやり取りがあります。
どう聞いてくるか分からない。
それでもうまく話したい。
となると、試験官役が必要なのです。
できれば、どのように質問してくるかに精通している方がよいです。
教採コンシェルジュでなくても、
近くに教員採用試験に詳しい方がいれば、その方でよいです。
ぜひ自分の思い通りの「自己PR」が話せるように練習していってください。
2023年教採の合格を目指す
すべての皆様へ
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