【オススメ】教員採用試験:学習指導要領の要点まとめページ

学習指導要領の勉強を始める際は、1歩目でつまづきがちです。
その原因は指導要領が「分厚い」ことと「分冊」であることにあります。
「総則」だけでも分厚いのに、「各教科」というのもある…
『どの冊子のどこを見たら良いかわからない!』となってしまうのです。

しかも、教員採用試験で出題されるのは、これらに載っているものだけではありません。
学習指導要領の変遷(移り変わり)もあります。

そこで「何から手をつけたら良いかわからない」という方向けに「まとめページ」を作成しました。
学習指導要領の勉強をスタートする際にお役立てください。

まずはポイントからです。
これらを知ってから学習を進めると理解が早くなります。

①重要な法規にしか存在しない「前文」がある
②憲法や教育基本法と密接に関連しているので、よく似た文章が出てくる
③学習指導要領の変遷は約10年ごと
④2020年〜の学習指導要領は次の4つがキーワード
「英語」
「プログラミング教育」
「主体的・対話的で深い学び」
「カリキュラム・マネジメント」

学習指導要領前文

国の法規で、前文があるものは重要です。
日本国憲法や教育基本法にもあるので、教採の勉強をしている方にとってはお馴染みかもしれませんが、実はレアケースです。
学習指導要領にも前文がありますので、それをチェックしてから先の学習に進みましょう。

「小学校学習指導要領」をベースに、クイズ形式で出題していきます。

中・高・特別支援学校志望の方は、後半の一部が違うだけです。
どこが違うのかという「比較」の出題もあるので、それを確認しながら解きましょう。

※□□に当てはまる言葉を入れましょう(□□と答えの文字数は一致しません)
※法文は読みやすいように一部省略をしている場合があります。

クイズ形式で理解する学習指導要領前文

教育は,教育基本法第1条に定めるとおり,□□の完成を目指し,
平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成を期すという目的のもと,同法第2条に掲げる次の目標を達成するよう行われなければならない。1 幅広い知識と教養を身に付け,真理を求める態度を養い,豊かな□□と道徳心を培うとともに,健やかな身体を養うこと。
1 幅広い知識と教養を身に付け,真理を求める態度を養い,豊かな□□と道徳心を培うとともに,健やかな身体を養うこと。

問題1:(□□に文字を入れましょう)

答え:人格
「学習指導要領前文」の前半部分は教育基本法の引用です。
教育基本法の学習をしたという方は、復習のつもりで進めていきましょう。

2 個人の価値を尊重して,その能力を伸ばし,□□を培い,自主及び自律の精神を養うとともに,職業及び生活との関連を重視し,勤労を重んずる態度を養うこと。

問題2
①感性
②情操
③心情

答え:②情操
「情操」という言葉は、日常生活では耳慣れないかと思います。
次のような意味がありますので確認しておきましょう。
『美しいもの、すぐれたものに接して感動する、情感豊かな心。』
出典:デジタル大辞泉(小学館)

3 正義と責任,男女の平等,自他の敬愛と協力を重んずるとともに,□□の精神に基づき,主体的に社会の形成に参画し,その発展に寄与する態度を養うこと。

問題3
①創造性
②独自性
③感受性

答え:①創造性
Society5.0(新しい社会)がこれからやってくると言われています。
それに対応できるような「創造性」が現在求められていると考えるとよいです。

4 生命を尊び,自然を大切にし,環境の保全に寄与する態度を養うこと。

問題4
①寛容
②公徳
③公共

答え:③公共
「寛容の精神」は、「相手を認める気持ち」といった意味があります。
「公徳」と「公共」は類語です。
こうした法規の学習では、正しく言葉を覚えることが必要です。

4 生命を尊び,自然を大切にし,環境の保全に寄与する態度を養うこと。

5 伝統と文化を尊重し,それらをはぐくんできた我が国と郷土を愛するとともに,他国を尊重し,国際社会の□□と□□に寄与する態度を養うこと。

問題5(□□に文字を入れましょう)

これからの学校には,こうした教育の□□と□□の達成を目指しつつ,

 

問題6
①目標と目的
②目的と目標

答え:②目的及び目標
どちらが先か、という問題です。
的(まと)と標(しるべ)は、「ゴール」と「ゴールまでの道」です。
より大切な「ゴール」の方が前にきますので、順序としては「目的と目標」となります。

一人一人の□□が,

問題7(□□に文字を入れましょう)

答え:児童
小学校では「児童」、中学校・高等学校では「生徒」となります。
面接や小論文などでは「子ども」という言葉を使うよりは、それらを使った方が適切です。

自分のよさや可能性を認識するとともに,あらゆる他者を価値のある存在として尊重し,多様な人々と協働しながら様々な社会的□□を乗り越え,

問題8
①困難
②変化
③課題

答え:②変化
教育関連法規の用語として取り上げられることが多いのが「社会的変化」です。

豊かな人生を切り拓ひらき,□□な社会の創り手となることができるようにすることが求められる。

問題9
①新た
②創造的
③持続可能

答え:持続可能
「持続可能」といった言葉は、国連で策定されたSDGsでも使われています。
SDGs(持続可能な開発目標)も教育時事で出題されるワードですので、確認しておきましょう。

このために必要な教育の在り方を具体化するのが,各学校において教育の内容等を組織的かつ計画的に組み立てた教育課程である。

教育課程を通して,これからの時代に求められる教育を実現していくためには,よりよい学校教育を通してよりよい社会を創るという理念を学校と□□とが共有し,

問題10(□□に文字を入れましょう)

それぞれの学校において,必要な学習内容をどのように学び,どのような資質・能力を身に付けられるようにするのかを教育課程において明確にしながら,社会との連携及び協働によりその実現を図っていくという,□□教育課程の実現が重要となる。

答え:社会
こうした言葉は自然と出てくるとよいです。
3回ほど声に出して音読すると、すっと出てくるようになります。

問題11
①社会に開かれた
②社会と連携した
③社会との接続を重視した

答え:①社会に開かれた
「社会に開かれた教育課程」は、今回の学習指導要領の要点の一つになっています。

学習指導要領とは,こうした理念の実現に向けて必要となる教育課程の基準を□□に定めるものである。

問題12
①全般的
②大綱的
③一般的

答え:①大綱的
日常であまり使わない言葉です。
大綱的(たいこうてき)と読み、「ある事柄の根本となるもの」という意味があります。

学習指導要領が果たす役割の一つは,公の性質を有する学校における□□を全国的に確保することである。

問題13
①平等性
②学習内容
③教育水準

答え:③教育水準
全国的どこでも一定の教育水準の学校があるという根拠がこの部分になります。

また,各学校がその特色を生かして創意工夫を重ね,長年にわたり積み重ねられてきた教育実践や学術研究の蓄積を生かしながら,児童や地域の現状や課題を捉え,家庭や地域社会と協力して,学習指導要領を踏まえた教育活動の更なる充実を図っていくことも重要である。

児童が学ぶことの□□を実感できる環境を整え,

問題14(□□に文字を入れましょう)

一人一人の資質・能力を伸ばせるようにしていくことは,教職員をはじめとする学校関係者はもとより,家庭や地域の人々も含め,様々な立場から児童や学校に関わる全ての□□に期待される役割である。

答え:意義
「教える」だけではなく「考えさせる」授業をしていきましょう、といった根拠として面接などで使いやすい部分です。

問題15
①大人
②関係者
③社会人

答え:①大人
法規で「大人」という言葉が使われることはあまりありません。
だからこそ、しっかりとチェックしておきたいですね。

幼児期の教育の基礎の上に,中学校以降の教育や□□にわたる学習とのつながりを見通しながら,児童の学習の在り方を展望していくために広く活用されるものとなることを期待して,ここに小学校学習指導要領を定める。

学習指導要領の移り変わり

学習指導要領は約10年に一度、社会の変化などに対応するため、改定されます。
チェックしておくのは、

①いつ改定されたか
②どのように改定されたか

です。
よく出題される内容を一覧表にしましたので、確認しましょう。

昭和33年 ・道徳の時間の新設
・科学技術教育の向上
昭和43年 ・教育内容の現代化
・算数における集合の導入
昭和52年 ・ゆとりある充実した学校生活の実現
平成元年 ・生活科の新設
・道徳教育の充実
平成10年 ・生きる力の育成
・総合的な学習の時間の新設
平成20年 ・授業時数増加、指導内容の充実
・小学校外国語活動の導入
平成29年 ・英語
・プログラミング教育
・主体的・対話的で深い学び
・カリキュラム・マネジメント

「学習指導要領の変遷」が出題される際には、

いつ、どのような主眼で改定が行われたか

を選択させるような問題が多いです。
例えば、次のような問題です。

【問題】正しいものを2つ選択せよ。
①昭和43年:道徳の時間の新設
②昭和52年:ゆとり教育の導入
③平成元年:生きる力の育成
④平成10年:総合的な学習の時間の新設
⑤平成20年:主体的・対話的で深い学び
2020年全面実施の学習指導要領の要点
「英語」

2020年から小学校3・4年生は週1コマの「外国語活動」、小学校5・6年生は週2コマ程度の「外国語」が始まります。

学習順序としては「聞くこと・話すこと」から始まり、「読むこと・書くこと」と進んでいきます。

これらの学習を通して、中学校以降の外国語(英語)学習への移行をスムーズにすることが目的です。

「プログラミング教育」

小学校で「プログラミング教育」が必修化されます。

「コンピュータのプログラムができる子どもを養成する」という訳ではなく『論理的な思考力』を育てるために行うことが目的です。

プログラミング教育は、大きく次の3つに分けられます。

①アンプラグド … コンピュータやタブレットを使わないプログラミング
②ソフトプログラミング … コンピュータやタブレットを使うプログラミング
例:Scratch
③ハードプログラミング … ロボットなどを動かすプログラミング
例:micro:bit(マイクロビット)やレゴ

指導する学年や学校の所有するソフトやハードによって、実施する内容が変わります。

「主体的・対話的で深い学び」

「アクティブ・ラーニング」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。
「主体的・対話的で深い学び」の元になった言葉です。
よりわかりやすくするために、

アクティブ・ラーニング

主体的・対話的で深い学び

と言葉の言い換えが行われました。

今までの学習:知識を覚えればクリアできる課題
これからの学習:知識を活用して初めてクリアできる課題

というように学習の変化が起きていることを、一言で「主体的・対話的で深い学び」と表しています。

「カリキュラム・マネジメント」

学校の経営・運営をしていくのに必要な考え方が「カリキュラム・マネジメント」です。

大きく3つの考え方から構成されています。

①教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てる
②教育課程の実施状況を把握してその改善を図る
③教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保する

よく聞くPDCA(Plan=計画、Do=実行、Check=評価、Action=改善)サイクルは、この考え方の基礎となる部分です。

学習指導要領の入手方法

学習指導要領は、文部科学省のホームページから全て無料でPDFデータをダウンロードできます。
しかし、PDFデータでは、全体像を掴みにくいです。
一度は書籍を手に取ってみることをオススメします。
大きな書店には常時置いてあることが多いですし、amazonなどのサイトでも入手可能です。

全て揃えても、2,000円未満で購入できますので、ぜひ検討してみましょう。

まとめ:要点と頻出を押さえる

学習指導要領は、分厚いこと、分冊であること、この2つの理由から敬遠されがちです。
しかし、必ず出題されます。
早めに手をつけて、苦手感を減らしておくと、他の受験生と差がつけやすいです。

本気で合格を目指すのであれば、筆記は最低ラインで突破するのではなく、十分な特典を確保しての突破がよいです。

ぜひこのページを閲覧してくださった方には、要点と頻出の分野を確認していただき、そういった差をつける学習を進めていただければうれしいです。

 

 

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