【教採コンシェルジュ独自分析付き】京都市の教員採用試験情報
1 京都市の合格に向けた分析
場面指導として3事例が挙げられています。「授業の受け方の指導」「雨の日の遊び方」「ベル着ができていない児童への指導」です。こういった場面指導全体に共通することがあります。それは、
同じ場面であっても、注意や叱ることもできれば、認めたり褒めたりすることもできる。
それであれば、可能な限り、認めたり、褒めたりするような形で場面指導を構成する。
ということです。事例を使って考えてみましょう。
授業の受け方の指導
【説明】みなさん、国語や算数は◯◯先生(受験生自身)と一緒に勉強していますけど、理科や音楽は□□先生や△△先生と受けていますよね。
まずは場の設定を試験官に伝えます。例のように一行程度で構いません。簡単に伝えることで、受験生と試験官が共通認識を持つことができます。
【説明】その□□先生や△△先生から、なんと!褒めていただきました!!!
そして、いきなり本題に入ります。場面指導も模擬授業も与えられる時間は短いです。可能な限り早く本題に入るようにしましょう。
内容についてです。授業の受け方というと「姿勢をよくしなくてはならない」「たくさんの意見を書いたり、発表しなければならない」「私語をしてはならない」といったニュアンスになりがちです。あれはダメ、こうした方がいい、といった形です。方法の一つとしてあり得ますが、そうしたことを伝えるのに「しなければならない」という流れで指導すると教室が暗くなります。結果的にうまくいきません。
そこで、ここでは「褒めていただきました」という流れからスタートしています。
【発問】3つ褒めてもらいました。どのようなことで褒めてもらったと思いますか?
ここで児童の発言で想定されるのは、次のような内容です。
姿勢が良い
意見がよく発表される
静かにするときには静かにできる
ポイントになるのは、大切なことは児童(生徒)に話をさせるということです。こうしたことは学校現場でも全く一緒です。
【承認】(児童生徒が発表したと想定して)なるほど。よく考えたね。先生が教えてくれたことに近いですよ。
児童生徒が発表したことを、そのままにはしません。教師として児童生徒が発表したことを認める言葉を発します。
【説明】□□先生や△△先生から褒めていただいた内容は、みんなが言ってくれた中にあります。
一つ目が、意見がよく出るということです。
二つ目が、静かにしなくてはいけないときに静かにできているということです。
三つ目は出ていないものでした。困っている友だちがいたら、すぐに助けるということです。
こういうクラスであることを◯◯先生は、とても嬉しく思います。
これからもがんばっていきましょうね。
すべての流れを「想定内」で終わらせるのではなく、少し変化をつけると、場面指導としても奥深く進みます。
また、教師として子どもたちががんばっていることを認める発言が必要です。
京都市の場面指導は、具体的な上に、いわゆる「指導」が多いのが特徴です。それを叱ったり、怒ったりするのではなく、別の方向から指導することができないかを検討してみるとよいです。
2 京都市の教員採用試験問題(一部)合格に向けた分析
問題例―令和4年度分
・筆記問題(小学校専科)
・個人面接(場面指導も含む)
自治体志望理由
京都市の教育の魅力
子供と個人的なSNS上でのやり取り
教員の不祥事が大きく取り上げられる理由
小学校志望理由
長所と短所
実習の経験
多様な子供たちを取り残さない教育とは
勉強が苦手な子供たちへの配慮
学級で大切にしたいこと
なぜ勉強しなければいけないのと聞かれたら
保護者対応の留意点
教員としてSNSはどう使うか
教員になったら何を意識したいか
風通しの良い職場とは
SDGsが言われる中、一人一人を大切にする教育とは
教科担任制について
・場面指導(1分)
小3 授業の受け方の指導
小2 雨の日の遊び方
小2 ベル着ができていない児童への指導
・集団討論
A教諭は、3年3組(男子16人、女子16人の学級)の担任です。A教諭は採用教員で初めてのクラス担任です。今年度より育成学級に在籍している3年生のB児との交流が始まりました。B児はまだ、発話がありません。身の回りのこともなかなか自分ではできません。
育成学級の担任からは、ある程度こちらが話す内容がわかっていること、また本人は意思の表示をしているがそれを読み取ることはなかなか困難であるということ等を聞いてはいました。
ある日の下校時。校門の前でB児と交流学級の児童を含む3年生の児童数名が集まっていました。B児と話をした後、さよならのあいさつをしてその場をみんな離れたように見えたのですが、その近くにいたというB児の母親より「交流している3年3組の誰かがB児の人権を踏みにじるような言葉を使ったり行為をしたりしてからかっていた。許せない。」と職員室にいた育成学級担任に話がありました。
「そのような発言をした児童は誰なのか。」と育成学級の担任がB児の母親に聞いてみたところ、誰かわからないが交流学級に在籍する3年生の児童であるとのことでした。そして3年生の担任や学校に対して「誰が言ったのかはっきりさせてほしい。しっかりした対応をしてほしい。」との要望がB児の母親からありました。
あなたが3年3組の担任だったら、このような事態にどのように対応しますか。また、今後学級づくりをしていくためにどのような取組をしていきますか。議論を深めなさい。
3 京都市の教員採用試験情報
自治体名 | 京都市 |
出願方法 | 電子申請および書類 |
願書期間 | 4月23日〜5月17日 |
1次入試日程 | 6月26日・7月3日、4日 |
1次入試内容 | 筆記試験(専門教科) 個人面接(場面指導も含む) |
合否結果時期 | 8月6日 |
2次入試日程 | 8月21日,22日 |
2次入試内容 | 小論文(600字・200字程度) 集団討論 指導案作成 模擬授業 |
合否結果 | 9月下旬 |
HP | https://www.city.kyoto.lg.jp/kyoiku/category/182-3-4-1-0-0-0-0-0-0.html |
※本情報は2021年の教員採用試験情報を元に作成しております。最新の情報については、必ずリンク先の自治体ホームページ等でご確認ください。
2023年教採の合格を目指す
すべての皆様へ
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