ほぼ全員燃え尽る
「一次試験終わった!」という声。
『終了』という意味だけではなく『落ちた』という意味でも使っていませんか。
お気持ちは分かるのですが、そういう受験生の方は、
全体の約60%
いらっしゃいます。
それを指し示す数値として、例えば『検索数』があります。
googleなどで検索するワードです。
一次試験が終わり、合格が出るまでの2〜3週間で教採関係の検索数は、ピーク時の約40%まで減ります。
『終わった』のはあなただけではないのです。
教員採用試験は、次のようなスケジュールで組まれています。
(自治体によって異なります)
一次試験当日 | 7月上旬 |
A : 約2〜3週間 | |
一次試験発表 | 7月下旬 |
B : 約2〜3週間 | |
二次試験当日 | 8月中旬 |
このAの期間に「燃え尽きっぱなし」でいるか、「早めの復活」を果たすか、これによって合否が大きく変化していきます。
復活のきっかけは『システム化』
とはいえ、やる気はなかなか起きません。
人ですから、一度やり切ると復活が難しいのです。
そういう時は、
やる気を出すのは止める
ようにしましょう。
その代わりに、
システムとして動く
ようにしてしまうのです。
この時間には〇〇の練習をする、のように決めてしまう。
そこに『やる気がついてこなくてもやる』という形を作ってしまいましょう。
こうした学習法は脳科学からも立証されています。
受験脳の作り方:脳科学で考える効率的学習法(池谷裕二氏)
などは参考になりますので、興味がある方はぜひ読んでみてください。
簡単にお伝えすると、やる気が起きてからやるのではなく、勉強しながらやる気を自然に起こすような形です。
60%の方が勉強していない期間、システム化で乗り切ることによって、グッと合格が近づいてきます。
システム化の具体例1『起きたらすぐ』
皆さんにも実感があるかもしれないことを、脳科学のお話と共に紹介します。
起きたらすぐは学習環境としては最高ランク
によいです。
これはレミニセンスという現象が元になっています。
寝ている間に記憶が整理されるため、朝の起き抜けの時間帯は記憶力が高い状態にあります。
そこで勉強をしてしまう。
とりあえず机に向かえば8割は成功です!
暖かい(暑い?)時期ですし、早起きもしやすいかと思います。
この季節にだからこそ挑戦してみる価値はあります。
システム化の具体例2『食事の前に』
記憶力は生命の危機にある方が高まります。
といっても、教員採用試験で生命の危機は感じないですよね…
ここでいう生命の危機はもっと軽いものです。
例えば、満腹と空腹。
満腹の時は動けない、空腹の時は集中できる、といった経験は多くの方にあるのではないでしょうか。
これは軽いレベルの生命の危機だからです。
と考えると、
家に帰ってから食事をする前に1時間
といった形で勉強をすることは、かなり効果が高いと考えられます。
『ヒトを見られる』ための対策
二次試験では、ヒトを見ます。
教員採用試験の用語で、
人物重視
といいます。
ですから、二次試験対策は、
学力を高めるよりも、自分自身のことについて整理をしたり、表現したりすること
の練習をした方が効果的です。
模擬授業編
模擬授業時間は5〜10分程度です。
この時間で、一定の授業力があるという部分を見せる必要があります。
一次試験後の2〜3週間で差をつけようと考えると、できることは限られてきます。
最も効果が高いのは
98%コピー
です。
過去の受験で実際に出た模擬授業のテーマを行います。
ご自身が頼りにしている授業が上手だなと思う方に、模擬授業を作っていただいたり、自分が作った授業を見ていただきましょう。
それを大きく変えることなく、ひたすらにできるようになるまで練習します。
一次試験を突破してから二次試験の模擬授業内容が公開される自治体ではもちろんですが、
テーマが当日わかる自治体でも効果が高い方法
です。
ほぼコピーしてできるようになるというのは、次のような力をつけることにつながるからです。
授業を時間内に収める力
板書タイミングの理解
児童生徒への対応力
こういった力を得られるようにするためにコピーをして練習をしましょう。
個人面接編
教採コンシェルジュで受験生のお手伝いをしていて感じるのが、
ご自身のことをノートにまとめていない方が多い
ということです。
お伺いすると、
「自分のことだから大体わかる」
というニュアンスのお答えが返ってきます。
しかし正直にお伝えすると、そういう方に限ってきちんとお話しできない、のです。
最低限、次のようなことは1分程度にまとめて話ができるようになっておきましょう。
自己PR
志望理由
長所
短所
得意分野
これまでに自分が経験してきたこと
いじめなどの普遍的な教育時事
Soceity5.0などの最新教育時事
学校現場で起きる場面指導
まとめる時のポイントは、
最低でも2段階に分けておく
ようにするということです。
例えば、長所について聞かれたとします。
あなたの長所を教えてください。
↓
はい。
私の長所は、切り替えが早いことです。
大学時代からサッカーを行なっているのですが、いつも試合に勝てるわけではなく、勝ったり負けたりを繰り返していました。
そういった中で、試合に負けてしまっても、次に向けての練習を誰よりも早く行うことができました。
これが私の長所だと考えています。
ここまでが1段階目です。
そこから、大体の場合、試験官がもう一段階の質問をしてきます。
それに向けての対策をします。
他にも、ご自身で切り替えが早いと思うことはありますか。
↓
はい。
これも失敗から得たことなのですが、アルバイトで飲食店の手伝いをしています。
数ヶ月に一度は、原因がはっきりしない注文の取り間違いが起きます。
そういった中でお客様からクレームをいただくことがありました。
1日以上引きずってしまう場合があるのですが、私の場合は、すぐにいつも通りに働くことができます。
こういったところからも切り替えが早いのではないかと考えています。
こうした話の続きができると強いです。
ぜひ整理しておきましょう。
小論文編
小論文は誰でも上手くなることができます。
「文章を書くのが苦手」
とおっしゃる方の大半は、上達に必要な文章量を書いていないことが原因です。
教採コンシェルジュでは、最低10本、できれば20本の小論文を推奨しています。
10本であれば、毎日書いた場合、2週間弱で達成です。
本数をこなす中で、
結論から書くこと
論点を明確にすること
不要な文章は書かないこと
文章の常体や敬体を揃えること
時間内に書き切ること
といった技法を身につけていきましょう。
まとめ:一次試験後の隙間の時間で差をつける
教員採用試験では一等賞を取る必要はありません。
上位何割かの中に入れば合格です。
一次試験を突破しているかはもちろん、今いる順位も分かりません。
そういった状態でやる気を出すのは、本当に大変です。
でも、だからこそ、チャンスです。
ぜひ、そのチャンスを掴みとって、教壇に立っていただければと思います。