30秒で可能な合否判定
そんな無茶な!となるかもしれませんが、上記の言葉は試験官の事実談です。入室をして、イスに座る、挨拶をして、採用に関わる話をする前の簡単なやりとりをする。これで十分とのことでした。あとは、「確認をするためにやりとりをするだけ」なのだそうです。
どうしてそれで合否判定ができるのか、そのためにできる対策は何かについて学んでいきましょう。
元気ですか!?
元プロレスラーの言葉ですね(笑)。でも、これがかなり重要です。初対面の試験官でも、自分の人生を左右する相手でも、保護者でも、児童・生徒でも、臆することなく対応ができる。これは、対人関係を求められる教員には必須の能力です。
元気ということを感じさせるために必要なことを考えてみましょう。これは、元気ではない時と比較するとわかりやすいです。
元気がある | 元気がない |
表情が柔らかい | 表情が固い |
姿勢が良い | 姿勢が悪い |
反応が早い | 反応がにぶい |
回答が前向き | 回答が後ろ向き |
表情や姿勢、反応や前向きな考えといったことが、よりよくなることがわかります。元気かどうかでそんなに変わる?と思われるかもしれません。これ、かなり変わります。
①元気がないところからスイッチを入れて明るく振る舞う。
②元気なところから更にワントーン上げて明るさを演出する。
どちらがやりやすいか、評価を得られるかは明らかです。
普段の生活からこうしたスイッチは入れることができます。意識してもらいたいのは、
メタ認知
です。自分のことを自分で認識することを意識するのです。例えば「今、元気ないなあ」とかです。これに加えて「よし、元気出してニコニコ笑顔になろう」と思ってください。もちろん思うだけですので、ウソで構いません。ウソでもよいというのは、これを継続していくことで、
自分自身の脳に『元気出さなきゃいけないんだね』と思いこませるため
です。元気な自分を造るための役作りをする。俳優さんのような感覚です。もちろんすぐにできるようになりませんが、早い方ですと、1ヶ月くらいで、はっきりと効果が出てきて、元気な自分を造ることができるようになっていきます。
元気を出すための練習にはメタ認知が必要。
まずは自分自身の脳をだますところからスタートする。
自信はありますか!?
面接練習をしたり、本番で話したりしているのを聞くと「失敗しました」という言葉を多く伺います。分析してみると、最も多い事例が断言ができないことです。これは語尾表現に出ます。
【合格】
・継続する力があります。それは大学4年間、学校ボランティアに行ったからです。
【不合格】
・継続する力があると思います。それは大学4年間、ほぼ継続して学校ボランティアに言ったからです。
このほんの少しの違いに気がつけるでしょうか?不合格パターンの場合は、迷いや緩さがあります。これが面接を繰り返している中で、積み重なり、大きくなっていきます。最終的には「はっきりしない受験生」となり、不合格につながるのです。
元気の時も同様ですが、自信は目には見えません。しかし、自信があるか否かは人から感じることができます。この練習方法は、
発言の際には語尾表現に気を付ける
ことです。
『断定すること』を意識しましょう。
【断定をする練習方法3】
①語尾を断定表現に切り替える(約1ヶ月) |
②①を柔らかく言えるようにする(約2ヵ月) |
③まず断定、その後に理由を付け足す(約1ヵ月) |
これは時間がかかります。それでも、やった方がよいです。教員採用試験ではもちろんのこと、学校現場でも即活用できる能力を得られます。
自信を出すためには「断定」が必要。
その練習は語尾表現を変えることからスタートする。
目に力はありますか!?
目に力がある人に共通することをご存じですか?
相手と目が合わせられる
ということです。企業の方や様々な場所で講演会を担当できるレベルの先生とよくご一緒するのですが、例外なく、これができます。
ただ、目を合わせればよいのではありません。目を合わせる目的は、あくまでも「相手に自分のことを伝えるため」です。ですから、次のような条件をクリアしておく必要があります。
【条件1】最低1秒
【条件2】柔らかな表情
【条件3】話始めと最も重要な部分の2箇所
条件1「最低1秒」は、ゼロ、イチと数えます。長すぎてもダメですし、短すぎてもダメです。適切な長さは、相手がいる場所で練習をしながら体得していきましょう。
条件2「柔らかな表情」は、動画撮影をオススメします。初期の頃は動画を見るのが嫌になるくらい、試験官役のカメラと目が合いません。何を見ているのかが分からず、そもそも一度も目が合わないなんてことも多いからです。それでも、続けると変わります。そこまで、約1~2ヶ月です。この間に止めてしまうことが多いのですが、耐えることができれば劇的にうまくなります。
条件3「話始めと最も重要な部分の2箇所」は、ずっと目を合わせていても不自然です。人間は会話の中で自然に目を合わせたり、離したりします。ところが、この自然に行うというのがくせ者です。緊張場面ではできなくなってしまうのです。そこで、テクニックとして、目を合わせるタイミングをこちらで勝手に決めてしまうのです。第一印象を与える冒頭部分と、体験談などの山場などで目を合わせる。こう決めておくと、面接練習の時に目を合わせるところはマーカーを引いておく、といった練習が可能になります。
目には力を出すには「テクニック」が必要。
練習可能な形にするために、ハートや勢いではなく理論立てられた作戦で対応する。
まとめ「醸し出す雰囲気」
これらの面接対策はテクニック的な部分が多いです。しかし、よく考えてみてください。世の中はテクニックの塊です。学校だけで考えても、指名の方法、ハンコの付き方、教える内容やそれに付随する話し方。どれも、誰かが考え、課題はあるにせよ、一定の効率的な方法だと認められ、現在使用されているものばかりです。ベテラン教員でも「自分だけのテクニックを生み出した」などと言っていたら、「この人は大丈夫か?」と思いますよね?ですから、皆さんも、
よい方法はドンドン学び、自分がやりやすい方法にほんの少しだけ変換して、活用する
ということを考えてもらえたらと思います。
その先に待っているのが、きっと合格です!