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【教育基本法】教基法前文の覚え方:3つのポイントで教採突破!

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『前文』がある特別な法律『教育基本法』

教育基本法には前文があります。
頻出分野でもあるので、皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。
ところが、この『前文』はかなり特別です。
普通は法律に前文がつかないのです。
なぜ前文がついた法律なのか。
早速ですが、ここが1つ目のポイントです。
その意味がわかると、よくわからない教育基本法が、ほんの少しマシになります。
ぜひ一緒に学んでいきましょう!

ポイント1:前文のある法律

教育基本法の構成を見てみましょう。

前文
第1条 教育の目的
第2条 教育の目標
第3条 生涯学習の理念
第4条 教育の機会均等
第5条 義務教育
第6条 学校教育
第7条 大学
第8条 私立学校
第9条 教員
第10条 家庭教育
第11条 幼児期の教育
第12条 社会教育
第13条 学校、家庭及び地域住民等の連携協力
第14条 政治教育
第15条 宗教教育
第16条 教育行政
第17条 教育振興基本計画
第18条 法令の制定

教員採用試験頻出の法律で、前文があるものは、あと1つしかありません。パッと思いつきますか?

日本国憲法

です。
法律の根本であるとも言える日本国憲法と同じような扱いになる教育基本法。
やはり重要だと言えます。

これ以外に前文のある基本法は、5つしかありません。

観光基本法
高齢社会対策基本法
ものづくり基盤技術振興基本法
男女共同参画社会基本法
文化芸術振興基本法

30以上あると言われる基本法の中でもわずかです。

この重要性は、文部科学省のホームページでも書かれています。
抜粋します。

極めて重要な法律であるという認識から、本法制定の由来と目的を明らかにし、法の基調をなしている主義と理想とを宣言するために、特に前文がおかれたものである。

その特殊性を感じることができるのではないでしょうか。

ポイント2:意志の表明

少し長いですが、前文を引用します。
これを読む時のキーワードは、

日本国としての意志

です。
日本国自体に意志はありません。
人ではありませんから。
しかし、諸外国に自国の考え方を伝えるのだという強い意志を感じることができます。

教育基本法 前文
われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。
この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい教育の基本を確立するため、この法律を制定する。

意思を感じる文面、わかるでしょうか。

決意を示した
待つべきものである

です。
通常法律であれば、

・義務や責任を負う
・〇〇をしなければならない

と言った書き方が一般的なのですが、ここでは『なぜそれを制定したのか』という根本についての書いています。
前文は意思を示したもの
と覚えておけば「じゃあ、どんな意思?」というようにストーリーを考えながら覚えることができます。

ポイント3:ややこしいことはバラして考える

教育基本法前文は大きく3つに分けられます。
分かりやすく番号を振ってみます。

われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。
この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。
われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。
ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい教育の基本を確立するため、この法律を制定する。

この3つにバラして考えてみましょう。

日本国憲法と教育をつなぐ

①われらは、さきに、日本国憲法を確定し、民主的で文化的な国家を建設して、世界の平和と人類の福祉に貢献しようとする決意を示した。
この理想の実現は、根本において教育の力にまつべきものである。

日本国憲法では「国民主権」「基本的人権の尊重」「平和主義」の3原則が挙げられます。
それらをまとめたものを『民主的』と捉えます。
憲法で決めた民主的な生活を送る。
その上で、さらに一歩先を目指し、日本が古来から大切にしてきた文化も大切にする。
それが「世界の平和と人類の福祉」につながっていくという考え方です。
こうした考え方は昔からありました。
シーボルト、ハリス、ペリーといった鎖国時代や開国当初に来た外国人はこぞって、日本人の嘘をつかない姿勢や文化的素養、教育水準の高さを褒めました。
今でも、それが日本にあり、それを伝えていこうというのが前文の考え方です。

教育は個人を大切にした上で成立する

②われらは、個人の尊厳を重んじ、真理と平和を希求する人間の育成を期するとともに、普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造をめざす教育を普及徹底しなければならない。

戦前教育の批判の大きな部分は『国家のために奉仕する教育』であったということです。
これには賛否ありますが、いずれにしても、そのような教育を行うのではなく、

個人を大切にした上で
その個人が真理や平和を追い求めることで
普遍的な文化を創っていこう

という考え方のもとで書かれています。

ちなみに「文化は時代とともに変化をする」という理解がされていることに気が付いたでしょうか。
『文化の創造』
という言葉です。
平安、鎌倉、江戸…様々な時代の文化の価値は変わりません。
国宝、重要文化財など、様々な物事が指定されています。
そう言った中でも『新しい文化を創れる個人』を育てていくことも考えているのです。

前文には具体的な中身がない

ここに、日本国憲法の精神に則り、教育の目的を明示して、新しい教育の基本を確立するため、この法律を制定する。

法律を制定する…
ということは「結局何をするのかは書いていない」ということになります。
これが前文の最大の特徴です。
何をするのかは書いていないけれど、その考え方を書いているから大切なんだよ
と解釈をするのです。

ですから、ここから始まる教育基本法第1条からの内容を解釈するときに、その意義や効力を確認したい時に前文に戻って、読み込めばよいということになります。

まとめ

法律を制定する時には、文字の一文字一文字まで精査して決められます。

なぜここで「民主的で文化的」なんだろう
なぜここで「真理と平和」なんだろう
なぜここで「普遍的にしてしかも個性ゆたかな文化の創造」なんだろう

と疑問に思い、ほんの少しのチェックをしてみると、内容を理解していきやすいかと思います。

ぜひ、教育基本法本文の学習に入る前の確認としてお使いくださればうれしいです。

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