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【教採】合格実績ありの模擬授業シナリオ:理科「磁石につけよう」

教採頻出の題材「磁石」の模擬授業に挑戦

小学校3年生理科の「磁石」の単元は、教採頻出です。

授業の導入(○分)の模擬授業を行いなさい

のような形で過去、多くの自治体で行われてきました。

磁石そのもののイメージが湧きやすいこと、
児童もそれまでの生活経験で扱ったことがあること、
具体物がはっきりとしているので授業の腕を見やすいこと、
などが理由として挙げられます。

皆さんは、この「磁石」を授業化することができますか?
何本か模擬授業をやったことがある方は可能だと思います。
しかし、模擬授業を全くやったことがないという方は、

・何を話したらよいかわからない
・そもそも「指示」と「発問」「承認(褒め)」の違いがわからない
・活動をさせるというけれど何をしたらよいか意味不明

様々なことが原因となり、模擬授業を行うことが困難かと思います。

そこで、今回は実際に合格した方がいる授業シナリオを紹介します。
ぜひ口に出したり、板書の練習をしたりしながら試してみてください。

合格実績ありの模擬授業シナリオ:理科「磁石につけよう」

条件

時間:8分
子役:他の受験生
授業内容:小学校3年生の理科「磁石の不思議を調べよう」の導入

導入:ワクワクする授業の始まりを演出

3年生は理科の学習が初めてです。
自然観察のような単元も好きですが、より「理科らしい」単元である磁石に興味を示すことは容易に想像がつきます。
このワクワク感を教師が演出できるように、楽しい雰囲気で授業を始めます。

1.今日から新しい勉強「磁石」です。
2.楽しみですか?
3.楽しみだなぁという人は手を挙げます。

「はい!」と多くの児童役が手を挙げることが予想されます。

上記の、
1.が説明
2.が発問
3.が指示
です。
原則として、「発問」と「指示」はセットで使うと覚えておきましょう。

では、これから勉強することをノートに書きましょう。

板書:じしゃくのふしぎを調べよう
すでに習った文字だけを漢字にするように配慮します。
習った文字がわからない場合は、漢字を書いて振り仮名をつけると言った方法を取ることも可能です。

磁石を使ったことがある人はいますか?
どんな時に使ったか手を挙げて教えてください。

新しい単元では、このような学習状況の確認をすることがよくあります。
実際の学校現場では、それに合わせて導入での話を変えることもあります。
児童の発表としては、

砂鉄集め
おもちゃを動かす
冷蔵庫でメモを留める

などがあることが予想されます。

そういった発表には「確かに」「なるほど」「同じように思った人?」のように対応しながら、否定をせずに認めます。

このような教師の「ほめ」による承認は、とても大切なことです。
教室の雰囲気をよくし、次の発表を促す効果があります。

たくさん発表が出ましたね。
全員が磁石という名前やピタッとくっつくことを知っていました。

導入をまとめて、展開へと移行します。

展開:児童の思考を促す発問

磁石に何でもくっついたら便利なのですが、そうではありません。
教室にあるものを、くっつくものとくっつかないものに分けて、予想して書きましょう。
まだ、磁石は先生が持っていますから使いません。
ノートは黒板のように半分に分けて使います。

説明・発問・指示をセットにしています。
こうした「セット」にする話し方はよくありますが、1つの話を1文にします。
長文で説明するよりも、短文で区切って話をした方がわかりやすいからです。

質問はありますか。

「磁石は使ってよいですか」などが予想されます。
磁石そのものを持っていなくても、筆箱などについているものを使おうとする児童がいるためです。
このような時は、他の児童と条件を同じにするよう配慮します。
「まだ予想ですので使いません、もう少し待ちましょう」
「なるほど、筆箱の磁石を使おうとしたんですね、もう少し待ちましょう」
のように返答をします。

予想を発表します。
まだ、発表をしていない人からどうぞ。

同じ児童役ばかりが発表することがないように配慮します。
教師が教室全体を見ているということをアピールできます。

児童役の発表は適宜板書をします。

発表の際は「教師と発表する児童1名」の1対1対応になってしまうことが多いです。
他の児童が何もしなくてもよい状態になってしまいがちですので、教師が巻き込むようにします。

Aさんと同じように思った人?

のように手を挙げさせると、グッと変わります。

まとめ:次に期待を持たせる構成

次のようにキレイにまとめられたら理想的です。

たくさんの意見がありました。
先生が授業中に「磁石とって」のように言う黒板はきっとつくでしょう。
でも、どっちかな?と言うところが何箇所もあります。
それを調べていくのが次の時間です。
いよいよ磁石を使うので楽しみにしておいてくださいね。

ただし、緊張している教員採用試験の模擬授業です。
時間通りピッタリで終わらせられることはなかなかありません。
これは他の受験生も同様です。
そうであれば、時間で終わらせることよりも、最後まで楽しく行うことを意識した方がよいです。

授業づくりと時間

皆さんはこのシナリオを読む時、

声に出して、
時間を測って、

やってみたでしょうか。

実際に声に出すと3〜5分くらいで終えてしまったのではないでしょうか。
ところが人の前に立って行うと、この時間がグンと伸びます。

対応

が入るからです。
児童役の人と話すと、それに対応する必要もありますので、時間が伸びます。

授業を作る時はそう言った時間も計算する必要があるのです。
何本か授業の練習をしながら、そう言った時間の感覚も掴んでいけると合格が近くなってくるのではないかと思います。

ぜひ、合格に向けてがんばってください。

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