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【教採】小論文解法例:実際の試験問題解答例(青森)『教員として自身の「人間力」の向上にどのように取り組むか、目指す教員像に触れながら具体的に述べなさい』

1 小論文課題

今回の課題は2020年に青森県で出題された小論文です。

教員として大切な資質の一つに「人間力」があげられます。教員として自身の「人間力」の向上にどのように取り組むか、目指す教員像に触れながら具体的に述べなさい。
試験時間:50分
文字数600字以上、800字以内

この課題をどのように解いていくのか、考え方も交えながら、回答を求めていきましょう。

2 ポイントを抜き出す

いきなり文章を書き出すとうまくいきません。短い時間で気持ちは急いてしまいますが、まずは試験で何が求められているかを検討していきます。

問題文を読んで、何が大切かを抜き出していきましょう。今回の問題では下記の2つになります。

人間力
目指す教員像

このようにしてポイントになるものは何なのかを考えます。

3 抽象的な言葉を具体的に変換する

「抽象的」「具体的」と言われても難しくはありませんか。そもそも何が抽象的で、何が具体的なものなのかがわからない…という質問がよく上がります。そういった時は、次のようなステップでより細かくしていくことを考えましょう。

①人間力

②包容力
行動力
決断力


③子どもたちの悩みや困りごとをいつでも聞ける包容力
決められたことを継続して行ったり、新しいことに挑戦する行動力
AとBのどちらも良いように感じられる時に判断を下せる決断力

①が問題文に出てくる言葉「人間力」です。このままでは小論文が書けないので細かくしていきます。

詳しく一言伝える場合にどのような単語になるのかを考えます。ここでは、「包容力」「行動力」「決断力」の3つを挙げました。いずれも人間力の一部分を構成するものです。また、他にも大切なことはあるでしょう。大切なのは、人間力の全てを説明するのではなく、ポイントを絞って説明するということです。

③②で書いた内容をより詳しくします。今回の小論文では「目指す教員像」と接続していく必要があるので、それと近い形で整理しました。

4 キーワードを接続する

先程挙げられた言葉と「目指す教員像」を繋いでいきます。下記のような教員であれば、自分自身はもちろん児童生徒にも教えることができます。

子どもたちの悩みや困りごとをいつでも聞ける教員
決められたことを継続して行ったり、新しいことに挑戦する教員
AとBで迷った際に的確に判断を下せる教員

もちろん他の言葉でも可能です。上記の他に汎用性が高いのが『創造性』です。今回はこの言葉を使って、実際に文章を作ってみます。

5 実際の文章例(669文字)

私が目指す教員像は「児童生徒の創造性をはぐくむ教員」だ。ここで言う創造性は、児童生徒がこれから生きるSociety5.0と呼ばれる新しい社会の中で通用するグローバルな世の中で、さまざまな方たちとコミュニケーションを取りながら、多様性を認め合ったり、今ないものを創り出したりする能力のことを指す。これを養わせるため、児童生徒には社会に開かれた学校の中で、さまざまな体験をさせていきたいと考えている。
このような考え方と自身の「人間力」を合わせると、次の2つのことを考えていく必要があると感じている。
まずは、様々な方と出会うことだ。日本だけで職業は約3万あると言われている。教員はそのうちの数種類に過ぎない。産官学民、文化・宗教など、多くの職業の方と出会う中で、多様な考えを知り、それら全ての方たちが現在の日本を創り上げていることを感じる。そのために、放課後や休暇などを活用して「人に会う」ということを意識的に行っていきたいと考えている。
そして、自分自身で新しい活動を起こすことだ。公務員でも兼業が行われる時代になってきた。少子化が進む現在の日本では、そのような傾向はさらに強くなってくるものと考えられる。教育と関連する特定非営利活動法人、一般社団法人などを自身も理事などの役員やメンバーになり、社会貢献を行っていきたい。こうした経験が学校現場にも還元できるため、公教育にも、地域教育にも、家庭教育にもよりよい影響を与えられると考えられる。
これらのようなことを行う中で、自身の人間力を高め、児童生徒に「児童生徒の創造性を育む教員」になっていきたいと考えている。

5 まとめ

今回の小論文では、2つのことについて記載をしています。

①始まりの文章とまとめの文章を接続し、同じ話になるようにしていること。
②教育時事ワードを入れて、教員としての基礎知識を見せること。

こうした配慮をして小論文を構成していくと、今よりもぐんとレベルアップしたものが書けるようになるのではないかと思います。

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