教育時事の中で根強く出てくる質問があります。「流行り(はやり)言葉についてあなたはどのように考えますか」というものです。
どの時代にも、流行り言葉はあります。これを肯定的にも、否定的にも、整理しておくことが必要です。
まず肯定的な考え方です。流行り言葉のルーツは諸説ありますが、『ひらがな』という言語形態そのものが流行から始まったと言われています。奈良時代に作られ、男性が主に使っていた漢字ばかりの文章とは別の、女性が使う言葉として一般的に使われるようになっていきました。時代によって使われる言語体系や言葉そのものが異なっていても、流行は人が作るものである限り、他の人を傷つけない限り認められるべきだという考え方はあります。
次に否定的な考え方です。教科書に載っている、もしくは、NHK などの公共放送で使われる言語体系が現在標準とされています。どの年齢層や地域であっても、一定標準的に伝わる言葉を使うことは大切だ、ということも考え方としてはあり得ます。
SNSが普及し、現在は流行言葉の寿命そのものが短いと言われています。「ぴえん」「キュンです」「エモい」「きまZ」などありますが、そのどれもに共通すると言われているのが「曖昧さ」です。はっきりと自分のイメージを伝えずに、ニュアンスが伝わればよいという言葉がよく使われているそうです。
こうした情報をもとに、流行り言葉に対して肯定か、否定か、もしくはどちらも考えられるのか、そういったことも整理しておくとよいかと思います。