個人面接では笑顔が大切だとよく言われます。これはなぜかわかるでしょうか。
笑顔を作ることが最も難しいからです。
ただの笑顔ではありません。緊張場面での笑顔です。試験管が受験生を評定して、合否を出すために様々な質問をしてくる。その状態の中で笑顔を出すのはは難しいことです。
真剣な表情、真面目な表情といったものはこうした場面の中で標準的に出すことができます。意図的にそれ以外の表情、具体的には笑顔を出せるかどうか。これが大切なのです。
先生
昭和の授業名人といわれた有田和正先生は、名人と呼ばれるようになってからも毎日継続して鏡に向かって笑顔の練習をしていたそうです。どのくらい口角を上げたらよいか、頬の筋肉の使い方はどうかを確認することが目的だった、と著書に書いてあります。
これは教員採用試験だけに使えることではありません。学校現場に出てからも様々な場面で活用することです。
特に生徒指導場面では重要視されます。子どもたちが叩きあったり、罵りあったりしている場面で、先生も鬼のような形相をして止めようとしても、それはなかなか止まりません。ポイントになるのは「望ましい行動をする」ということです。そんな場面で、ゆったりと近づいていき、にこやかな表情で「そこら辺でやめておきましょうか」と言葉掛けをすると止まります。しかし、大抵の場合は「やめなさい!」といった声かけになってしまいます。これは止まりません。
ほんの少しの場面ですが、そうした一つ一つの教師の行動が子どもたちの動きを規定します。
表情の練習をする。こうしたことは採用試験突破に向けて、また、その後の学級経営でも大切なことです。