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【教員としての教養】年末年始の伝統文化を児童生徒に伝える

もうすぐお正月ですね。神社へ初詣に出かける方も多いのではないでしょうか?

宗教施設へ行き、神様に祈る。なのに、これを「宗教行事」と考えず「伝統行事」と捉える民族は世界中探しても日本人だけだと言われています。

これはどうしてなのか。そのルーツは神道の考え方にあると言われています。神道はそのままの形で現存する最古の多神教です。神様は固有の形を持ちません。空気が神様だったり、水や海、大きな木や石、鏡に映し出された自分自身、過去の人など八百万(やおよろず)すべてのものが神様になります。トイレの神様なんて歌がありましたが、トイレだってそうです。

何でも神様になるということ。これが「日本人としての考え方」です。何でも大切にしなさい、思いやりを持ちなさい、もったいないと考えましょう、といったものです。

このような考え方で語られる様々な行事のことを「宗教行事」と呼ばず「伝統行事」と呼ぶのには、このような考え方があるからだと言われています。

これは願い事にも表されます。例えば七夕。「神様、ありがとうございます」と書かれている短冊を見ることはないのではないでしょうか。家族の安全や健康を願ったり、自分やチームの夢の実現を願ったり。自分や周りにいる大切な方を思いやる考えが願いのベースです。こうした部分にも「宗教」ではなく「伝統」としてのベースがあります。

教育と宗教は公立校では分けて考えられます。しかし、教育と伝統文化は同じステージで学びます。正月や端午、七夕のような節句。正月であればおせちや餅つき、七草に込められた伝統的な考え方などです。

何を宗教的に捉えて、何を伝統的に捉えるのか。そんなところを考えながらお正月を迎えると、学校現場に出た時に、そのまま子どもたちにも話せる話題になるかもしれませんね。

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