【学生アルバイト体験記】学童保育・児童館
教員を目指す学生さんは、経験のために子どもと関わるアルバイトをしている人が多いようです。
塾講師、家庭教師、地元の少年野球のコーチなど、子どもと関わるアルバイトはたくさんありますね。
その中でも今回は、「学童保育・児童館」でのアルバイト経験についてお話を聞いていきたいと思います。
小学校教諭の方からお話を伺いました。
どんなアルバイトなのですか?
お仕事で家を空けている保護者の方に代わって、お子さんの「預かり」をする仕事です。
具体的な内容で言うと、保護者が迎えに来るまでの間、宿題を教えたり、一緒に遊んだりして時間を過ごします。
大変なことはありましたか?
私が勤めていた児童館でのお話なのですが、子どもたちがとにかく元気でした(笑)
部屋の中を子どもたちが走り回らない日がありませんでしたね。
何度注意しても大人しく聞いてくれる子どもはほとんどいませんでした。
過酷な職場ですね・・・
確かにそうですね。でも、この職場で学んだことは今の教員生活に大いに生かされています。
先ほど、何度注意しても走るのを止めない子どもたちの話ですが、この子たちからは大変多くのことを学びました。
どんなことを学んだのですか?
「その子どもに合った対応をする」ことです。
そこで、走るのをやめない子どもたちの気持ちになって考えてみることにしました。
これだけの時間走り回れるということは、元気が有り余っているんだな。
おもちゃで遊んだり、絵を書いたりといったことが苦手なんだな。
そういったことを予想して、対応するようにしました。
結局どのような対応をされたのですか?
「手押し相撲」に誘いました(笑)
手押し相撲なら、足は動かしちゃいけないので必然的に止まりますし、走る元気は目の前の人間を押すことに注げます。
そして何より、めちゃくちゃ盛り上がるんです。子どもと楽しく手押し相撲をして、走るのを防ぎました。
我ながら良いアイディアだと思っています(笑)
他に印象的なエピソードはありますか?
職員の方に、とある児童の宿題を見てあげるように言われました。
その子は宿題で、分からない問題があると、投げ出してしまう子どもでした。
投げ出した後は「先生が宿題やって!」の一点張りです。
中々手強そうですね・・・
手強かったんです(笑)
けど、ここで諦めるわけにはいきません。
その子が駄々をこねることなく宿題を取り組めるように様々な方法を試しました。
具体的にどのような対応をされたのですか?
まず、分からない問題があった時に、「先生を呼ぶ」ことを教えました。
そして、「絶対に分かるように教えてあげるからね」と一言伝えました。
こうすることで、分からないイライラに任せてプリントを破る前に、私を呼んでくれるようになりました。
次に、ちょっとでもできた事を褒め続けました。
「いつもより、綺麗に名前が書けたね」だとか、「すごい!自分で問題解けたんだ!」だとか。
とにかく大きなリアクションを取って、たくさん褒め続けました。
時間はかかりましたが、一人で落ち着いて宿題を取り組めるようになり、自分のことのように本当に嬉しかったです。
このアルバイト経験は、教員になってどんなところで活かせましたか?
子どもでも「人によって態度を変える」ということが分かり、児童対応の際に活きています。
児童館の子どもたちが通っている学校を見学する機会があったのですが、いつも走り回っていた子どもが信じられないくらい落ち着いていて、衝撃を受けました。
また、他の子どもでも保護者の方が迎えに来られたら、借りてきた猫のように帰っていくことがありました。
でも、こんな風に「人によって態度を変える」って実は大人もやっていますよね。
自分に見せている姿だけが、本当の相手の姿ではない。
これは子どもでも、大人でも一緒なんだという発見をすることができました。
だからこそ、私が受け持つ学級の児童には、私に見せる一面だけで人となりを判断しないようにしています。
まとめ
今回は児童館でアルバイトをしていた方からお話を伺いました。
学校ではない場所での、子どもと関わるアルバイトは教員として掛け替えのないスキルを手に入れられます。
大学生の皆さんも、ぜひ子どもと関わるアルバイトをしてみてはいかがでしょうか?