子どもから『教育』がなくなる
新型コロナウイルスの感染拡大やその防止で様々なことが動いています。中でも、保護者の方は大きな影響を受けています。
保護者の方は「突然、学校が休校になった」という印象が強いのではないでしょうか。ここでは、その是非を議論するのではなく、あくまで建設的にこれからの過ごし方について考えていけたらと思っています。
まずは決まったことを確認していきましょう。学校が休校になる期間は、自治体によって対応に差が出ていますが、およそ次の期間になります。
3月2日(月)〜4月5日(日)
最長で1ヶ月超という夏休みに匹敵するような長さです。夏休みであれば、社会的にもシステムが構築されています。今回ほど対応に苦労することありません。この『社会的にシステムが構築』されている部分がポイントです。夏休みと今回の長期休校では、何が異なるかがわかると対応が行いやすくなります。
コロナ対応 | 夏休み | |
休校期間 | およそ1ヶ月 明確ではない |
40日前後 明確な月日がある |
宿題 | 学校も突貫工事で提供 | システム化された宿題 |
行動 | 外出自粛 | 縛りなし |
各施設 | 休館・休園 | 特設イベント多数 |
保護者 | 休みを取りにくい | 休みは計画的に取得 |
こうして見てみると、次のように違うことがわかります。
A 休みの期間が明確ではない
B 社会が自粛ムードでできることが少ない
C 保護者の休暇が取りにくい
これらも大変ですが、もっと気を付けていかなければいけない部分があります。それは、子どもから教育がなくなるという部分です。学校教育には大きく2つの機能があります。
①学力を養う
②社会性を養う
この両方の「教育」が約1ヶ月間失われるのです。今回は、これを保護者の方が対応することが必要になります。そのためにできることを3つ紹介していきます。
できること1:ほんのちょっとの無理
休暇をとりにくくはありませんか?周囲に聞いて見ても、
「子どものこと、どうする?」
「どこに預けよう」
「仕事、やばいな」といった声が聞かれます。これらは全て、
保護者が休暇を取りにくい
という話につながっています。それはそうです。業態や職種によって異なりますが年度末です。イベントも多い時期ですし、年度で区切りがある仕事であればまとめも必要、ルーティーンがあり日々の仕事が求められる方もいます。今回の新型コロナウイルスでは、様々なところで自粛要請がかかっていますので、ご自身の仕事自体が強制的になくなったという話も多く伺います。
しかし、愚痴ばかりでも仕方がありません。わたしの周りもそうですが、愚痴ったら解決する場面は少なそうです。声を挙げる必要はあるかもしれませんが、それよりもまずは子どものことを考える方が優先です。
で、できることですが、
子どものため、ほんのちょっと無理をして休みを取りませんか
ということです。もちろん30日間の休みを取れというのではありません。そこで次のことを考えてみましょう。
今回の新型コロナウイルスの休校対応で仕事を休んだ場合、家庭にどの程度のダメージがあるのかを建設的に考えてみましょう。
失業でしょうか。それは社会的にも問題がありますが、そのように声を上げているヒマは無いかと思います。泣く泣くではありますが、休みを取るのは難しいです。
収入の減少でしょうか。この場合、いくらなら耐えられるでしょうか。外食を減らして、代わりに家で子どもと餃子でも作ってみるとかで対応可能でしょうか。
仕事が溜まるでしょうか。それなら普段の1.1倍がんばれば、数値上は10日に1日は休めます(もちろん数値だけでは表せませんが…)
休むと何となく不安でしょうか。ヒトは「普段通りが一番安定する」と言われています。今回は非日常です。大人もそうなのですが、漠然と不安を抱えているレベルは子どもの方が上です。どうしたらよいかわからないのですから。
このように考えて、
30日間全てではなく、幾らかでも休暇を取ることは難しいでしょうか。
何日間かだけでも休暇取得をすることができれば、きっと子どもも喜ぶかと思います。
できること2:外遊びの相手
子どもたちのパワー、すごいですよね?最初から最後まで一緒に遊び続けるのは体力的にもしんどいです。しかし、フルタイムで遊ぶことは叶わなくても、一緒に外に出かけてあげることはできます。
テーマパークや水族館、博物館などの施設は、3月15日まで休館のところが多いです。大型商業施設などの屋内は新型コロナウイルスで心配。いくらかでも感染リスクを下げたいと思うと、
外遊びが妥協点
かと思います。1ヶ月間、ずっと自宅待機させていたら、子どもはもちませんから。外遊び、何ができるでしょうか。いつもあまりしていないことでも喜びます。
・キャッチボール
・自転車で近所をサイクリング
・地面にお絵かき
・凧揚げ
・ブランコなどの遊具
これだけでは時間が潰せないという場合は、家からをセットで考えるという手段もあります。ピクニックのような感じです。立派なものでなくて構いません。
一緒におむすびを握り、インスタント味噌汁を水筒に入れる、デザートのイチゴはラップに包んで、リュックサックへ入れる。
これだけでも十分に楽しい家族イベントになります。お母さんとでも楽しいでしょうが、このような時はお父さんもきっと『出番』になるのではないかと思います。
できること3:イラっとせずに勉強相手
現実的に「自分の子どもの勉強相手」はうまくいきません。やってみたことがある方は分かるかと思いますが、イラッとしちゃうんです。何でこんなこともできないんだ…となってしまいます。ここからは残念なルーティンが待っています。
【自分の子どもの勉強相手】
①できるようになるまでさせる
②結局できない
③イラっとする
④子どもはもうやりたくなくなり、保護者はイライラして終わる
誰にとっても悪夢のような流れですが、経験された方は多いのではないでしょうか。実は、家庭で学習する際にはポイントがあります。
結果がはっきりしている学習は保護者が見ない
ということです。もちろん宿題などは一定見る必要がありますが、国語や算数、ピアノやサッカーなど『今日のゴール』が見えるものをやろうとしてもなかなかうまくはいきません。先ほど紹介したようになってしまうのです。取り掛かりやすいのは、
本の読み聞かせ
です。意外と高学年になっても喜びます。「のび太の新恐竜」なども小説版で出ています。ちょっと長めのものでも大丈夫です。家庭で本を読む習慣がなければ良い機会になるかもしれません。
まとめ
学校休校中、どのように過ごすのか、切実な問題です。日常どおりに暮らそうと思うと無理が出ます。でも、子どもたちもこれからガマンをする期間となります。いつも通りではなく、ほんのちょっと何かを変えて、子どもたちと一緒に過ごしていただければ嬉しいなと考えています。
それぞれのご家庭に合わせて、参考にしてくださればと思います。
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